ユキ&サヤカ
http://michimakase.blog108.fc2.com/
World Wide Weblog
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別のウィンドウで開く | スポンサー広告 | top↑
人類最大の負の遺産・アウシュビッツ (7月7日 世界一周166日目) Auschwitz, Poland
2008-07-08 Tue 23:51
チェコ東部のオロモウツからポーランド南部のクラコフへは、特急(ユーロシティ)とローカル列車を乗り継いで約6時間の旅。国境越えの際にも特に手続きなどはなく、列車の中で係員にパスポートを見せただけで終わりました。
カトヴィツェ~クラコフ間のローカル列車
(写真:カトヴィツェ~クラコフ間のローカル列車)

クラコフはかつてポーランド王国の首都が置かれていた場所で、世界遺産にも登録されている美しい町。町自体にも見所はたくさんあるけれど、私たちがここに来た理由の一つが、クラコフの西54kmにあるオシフィエンチム(ドイツ語名アウシュビッツ)を訪ねること。アウシュビッツ。言葉を聞くだけで何だか背筋が寒くなるような響き。ご存知の通り、第二次大戦中にナチス・ドイツの強制収容所が置かれていた所で、ここでは150万人以上の人々(主にユダヤ人)が虐殺されたと言われています。

自分たちで行くと決めておきながら、前日から2人ともかなり憂鬱な気分。150万人という想像もつかない数の人が殺されていった場所。それも遠い昔の話ではなく、わずか60年と少し前に起こった出来事。一体どんな思いでそこを訪ねればいいのか、どうして人間にそんなことが出来たのか。

気持ちの整理がつかないまま、クラコフからバスに乗って1時間半でオシフィエンチムに到着。かつて収容所があった場所は、今では敷地全体が博物館として無料で公開されています。まずは、収容所入り口のゲートをくぐって敷地内へ。
強制収容所入口
(写真:強制収容所入口。Arbeit macht frei(働けば自由になる)という、現実とは正反対のスローガンが掲げられている)

収容所内部には、整然と立ち並ぶレンガ造りの囚人棟が全部で28棟。現在は、そのうち15棟の内部に、それぞれ「囚人の生活」「ユダヤ人の受難の歴史」などのテーマで展示がされています。とても1日で見終わるような量ではないので、いくつかの棟を選んで見学しました。
囚人棟
(写真:レンガ造りの囚人棟。逃亡防止のため、電流を流した有刺鉄線で囲まれている)

中でも一番ぞっとしたのは、「絶滅」というテーマの展示で、殺された囚人の髪の毛が並べてある一角。遠目に見ると、モサモサッと藁を積んだ畑のようですが、近づくと茶色っぽい大量の髪の毛が波打っていて、三つ編みのものもあります。これはドイツ本国で髪の毛を材料にして布地を作り、儲けようとしたものだったとか。さらに、高く積まれた毒ガス(チクロンB)の大量の空き缶。シャワーを浴びさせるので、と囚人を騙して衣服を脱がせ、地下のガス室で一度に約2,000人が殺されたそう。これこそが地獄、しかもこの世で人間が作った地獄を見る思いでした。

この大量殺人が行われた「ガス室」は、最初はアウシュビッツ収容所内に作られたものの、「第二アウシュビッツ」と呼ばれるビルケナウ(アウシュビッツから2キロの所)にさらに大規模なガス室が作られた後は、殺人の場所はビルケナウに移って行きました。私たちも無料の巡回バスで、アウシュビッツからビルケナウへ。

ビルケナウ収容所跡は、遥か遠くまで続く広大な敷地。かつては300棟以上のバラックが立ち並んでいたそうで、この収容所で命を奪われた人々の数は、百数十万人。ヨーロッパ各地から連行されてきたユダヤ人たちは、列車を降ろされて主に労働可能な者が選別され、それ以外の人たちはそのままガス室で死に追いやられました。
死の門
(写真:囚人たちを乗せた列車が通ったレールが今も残る。奥に見えるのが、「死の門」と呼ばれたビルケナウ収容所の中央門)

ビルケナウ収容所に残る地下ガス室は、証拠隠滅のため、終戦直前にナチス親衛隊員によって解体されたり爆破されたりしました。それでもなお、今でもはっきりとその跡を見ることが出来ます。列車の線路のすぐ隣にあるガス室。人々はどんな思いでこの中に入って行ったのか。
地下脱衣室への入り口跡
(写真:地下脱衣室への入り口跡。このさらに奥にガス室があった)

また、ここビルケナウではかつて人々が収容されていたバラックの内部も見ることが出来ます。ジメジメとした内部。3段の寝台の各段には、それぞれ5人ずつが押し込められていたとか。不衛生極まりない環境。病気や飢え、そして過酷な労働によってここで命を落とした人も相当な数いたようです。
収容所バラックの内部
(写真:収容所バラックの内部)

人類最大の負の遺産、そしてホロコーストの象徴、アウシュビッツとビルケナウ。それほど遠くない昔に起こった大虐殺。でも今では、大型バスで次々に世界中の人々が訪れる観光地。広大な敷地に残るレンガ造りの煙突やガス室は、まるで遥か昔の遺跡のよう。本当に人々は、この記憶をとどめていけるのか。同じことを繰り返さないと言えるのか。帰りもやっぱり、来た時と同じようにすっきりしない気分。あまりにも多くの犠牲者に対して、掌を合わせて祈ることが精一杯でした。
別のウィンドウで開く | ポーランド&ハンガリー編 Poland & Hungary | コメント:5 | top↑
<<クラコフで寮生活 (7月9日 世界一周168日目) Krakow, Poland | BUENA SUERTE de 道まかせ | ボヘミアからモラビアへ (7月3日 世界一周162日目) Olomouc, Czech Republic>>
この記事のコメント
#189 お返事
コメントありがとう。

-Mikanさん
正直なところ、私も頭の中が無になってた。もし五感をフル稼働させて当時を想像していたら、あまりの衝撃に耐えきれなかったと思う。でも実際に見たら、絶対に戦争に手を貸すなんてできなくなるし、心から世界が平和になってほしいと思うよ。Mikanみたいな人が、一人でも増えますように。。。
2008-07-18 Fri 23:22 | URL | 道まかせ #EixkuloU[ 内容変更] | top↑
さやかのブログを読んでいるだけで、意識や感覚、感情が無になってしまいます。絶対に絶対に人間がこれほど残酷なことをしたことを忘れてはいけないし、繰り返してはいけないね。でもまだ戦争や、争いが絶えない世界は何でだろうね?
全世界に平和を・・・。私が出来ることから・・・。周りのみんなを愛そう。

欧州旅行も体に気をつけて楽しんでね!!
2008-07-13 Sun 18:12 | URL | Mikan #-[ 内容変更] | top↑
#186 お返事
コメントありがとうございます。

-紗羅さん
使命感と情熱あふれる教育に、確実に生徒さんたちも影響を受けていると想像します。この元収容所を見て、それで自分たちに何ができるのか…と茫然としていましたが、私たちも、少しでも何かを伝えることができていればと思います。
2008-07-11 Fri 17:48 | URL | 道まかせ #EixkuloU[ 内容変更] | top↑
#184 記憶をとどめるもの、
そして世界を平和に導くもの、
それは教育だ、と私は強く信じています。
(だからこそ自分の仕事にやりがいと大きな責任を感じるという思いもあるわけです。)

知らぬままになってしまう人もいるでしょう。
ただ聞いても忘れてしまう人もいるでしょう。
でも、
何かを感じる人もいて、伝えるべきだと思う人もいて、
伝えられる力を持つ人もいて、
そういう人が確実に、次の世代に何かしらを伝えていくと思います。


毎日何かを伝える仕事をしていても、
「伝わった」
と感じ取れる相手や瞬間は、全ての時や人に対して訪れてくれるわけではありません。
それはもちろん私の技術諸々不足もありますし、
相手のアンテナの具合もあるわけですが、
ゼロということもまた、ありません(断言!)。

伝わります、必ず。それが真実のほんのひとかけらの部分だとしても。

現にこの記事の写真を見て、
私はしばらく何か大きな不安や恐怖におそわれました。
2008-07-09 Wed 23:44 | URL | 紗羅 #n05n40aw[ 内容変更] | top↑
#183 夜と霧
35年も前に、フランクルの「夜と霧」を読んで、何とも言えない気持ちになったことを昨日のことのように思い出しました。あまりもの悲惨さを伝える巻末の写真も鮮明に覚えています。
2008-07-09 Wed 21:06 | URL | Pikachu #-[ 内容変更] | top↑
コメントの投稿(入力後、下の"SUBMIT"ボタンを押して下さい。)★E-MAILとWEB SITEの欄は空欄でも構いません★
 

管理者だけに閲覧
 

| BUENA SUERTE de 道まかせ |
copyright © 2006 BUENA SUERTE de 道まかせ all rights reserved. powered by FC2ブログ. template by [ALT DESIGN].
/
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。