サンチャゴから飛行機で2時間。チリ北部の町、カラマに到着。カラマはチリ経済を支える巨大な「チュキカマタ銅山」で知られる町。私たちも本当はここで銅山の見学をする予定だったのですが、ちょうどストライキのため見学できず!チリ北部のハイライトの一つだっただけにとても残念でした。
(写真:カラマの町に立つ鉱山労働者の像)
仕方なくカラマの町に1泊した後、バスでアタカマ高地の観光の拠点となる町、サンペドロ・デ・アタカマに向けて出発です。とにかく南北に細長いチリでは、同じ国の中で、「氷河から砂漠まで」全く異なった自然環境を見ることが出来ます。南米に砂漠?と思うかも知れませんが、チリ北部のアタカマ高地は、世界で最も乾燥していると言われる砂漠地帯なんです。バスの車窓からは、延々と広がる赤茶けた砂地と、その彼方に5,000mから6,000m級の山々が連なる壮大な風景が見えました。
(写真:アタカマ高地の風景)
標高2,440mにあるサン・ペドロ・デ・アタカマは、「アドベ」と呼ばれる日干しレンガの平屋が並ぶ静かな町。私たちは土壁の蔵のような宿を拠点にして、近郊を見て回ることにしました。
(写真:サン・ペドロ・デ・アタカマの町並み)
昼食をはさんで、さっそく「月の谷」を見に行くツアーに参加。ここは2,200万年前の火山活動によって岩肌が浸食され、月面のクレーターのように見える砂漠地帯。道の両側にそびえる岩山には何層にも重なった地層があらわになり、鋭く刻まれた谷が2kmにわたって続きます。背景にはボリビアとの国境、活火山のリカンカブール山(5,916m)が雪をかぶった姿を見せ、中東や北アフリカの砂漠とはひと味ちがった美しさを醸し出しています。
(写真:「月の谷」の不思議な風景)
「月の谷」ツアーで一番楽しみにしていたのが、砂丘で見る夕焼けです。リカンカブール山ほか、アンデスの険しい山々がピンク、紫、青…とお洒落なカクテルのように濃淡を描いていき、しばし見とれてしまいました。ツアー参加者の中には、赤ワインのボトルとグラスを持って登ってきたチリ人のカップルがいて、サヤカとユキも一杯ずつ分けてもらい、砂丘の頂上で思いがけずご機嫌なひとときを過ごしたのでした。
(写真:「月の谷」の夕暮れ)
気がつけばこの日で旅もちょうど3か月が経過しました。引き続き応援よろしくお願いします!